犬の嗅覚

今回は「犬の驚きの嗅覚」についてです。

飼い主の皆さん、ワンちゃんたちが鼻をくんくんさせている姿、可愛いですよね。

その鼻は、実は私たち人間とは比べものにならないくらい、優れた能力を持っています。

【犬の嗅覚はどれだけすごい？】

犬の嗅覚は、人間の1万倍から10万倍も鋭いと言われています。１０万倍と言われてもその凄さはピンときませんが、例えば私たちがほのかに感じる花の香りでも、犬にとってはそれがどの場所のどの花から来ているか、どのくらい新鮮かまでわかるレベル。まるで「香りのパズル」を解くように、空気中のニオイの断片を拾い上げて、いろんな情報を組み立てているんです。

さらに驚きなのが、犬の脳のうち、嗅覚に関する部分が約40%も占めていることです。私たち人間にとって視覚が重要な情報源であるのに対して、犬にとっては「ニオイ」こそが世界を理解するための一番の手がかりなんですね。

【飼い主からどんな情報を入手してるの？】

飼い主さんの帰宅時、しっぽを振って大喜びでお出迎えしてくれるワンちゃんたちも多いですよね。可愛くて抱きしめたくなりますが、くんくんされてその手を止められることもあるでしょう。この時ワンちゃんは、大好きな飼い主さんが外でどう過ごしてきたかの情報収集をしているんですね。

例えば、ワンちゃんはこのくんくんから、以下のような情報を拾い上げています。

1.　体のニオイの違い

その日どこに行ったか、何をしたかなど、私たちの体に付いたニオイから一日の行動を把握しています。

2.　気分や感情

飼い主さんの緊張、リラックス、喜びといった感情が、体から放出されるホルモンやフェロモンを通じて伝わります。

3.　健康状態

病気や体調の変化があると、その微妙な変化をニオイから察知し、飼い主さんを心配して寄り添うこともあります。

4.　食べ物や飲み物のニオイ

飼い主がどんなものを食べたか、何を飲んだかもすぐに分かります。

美味しいものを食べた直後だと、ワンちゃんがそわそわしていませんか？

5.　他の人や動物のニオイ

家の外で接した人や他のペットのニオイを察知して、「誰と会ったんだろう？」と関心を示します。

このように、私たちが気づかないうちに、ワンちゃんたちは飼い主のニオイからいろいろなことを感じ取っています。例えば、朝のニオイと夜のニオイで「今日はどんな一日だったのか」を察したり、家族の中で誰がどこにいたのかを確認していることもあります。

さらに、犬には「家族の一員」という意識があるので、飼い主がどんな気持ちでいるのか、どこか体調が悪いところがないかなども、自然とチェックしています。飼い主さんが元気だと犬も安心しますし、逆に落ち込んでいると、そばに寄り添ってくれることもありますよね。これは、単に飼い主に甘えたいだけではなく、「今はそばにいてあげなきゃ」と感じ取っているからなんです。

【犬は飼い主の気持ちがニオイでわかる？】

不思議かもしれませんが、犬は私たちの気分や感情もニオイから察知することができます。

人間の感情には、ストレスや喜び、興奮などに応じてホルモンが影響しますが、犬はその微細な変化を嗅ぎ取ることができると言われています。

例えば、飼い主がストレスを感じているときは、“コルチゾール”というホルモンの分泌が増えるため、犬はそれを感じ取り、「今日はちょっとそっとしておこうかな」と判断することもあるそうです。

また、逆に飼い主が楽しい気分でいるときは、そのリラックスした雰囲気がニオイを通して伝わり、犬も一緒にリラックスしたり興奮したりします。まさに「ニオイを通してのコミュニケーション」ができているんですね！

【おまけ：実は猫の嗅覚もすごい！】】

ちなみに、犬ほどではないものの、猫も優れた嗅覚を持っています。

猫は「テリトリー意識」が強く、自分の周りにあるニオイをすごく気にします。自分のテリトリーに入ってくるものや人のニオイも敏感に察知して、「これは安心できるものか？」を判断しています。
飼い主さんが他のネコを触ったりすると、飼い猫が「ふーん、浮気してきたんだ？」とばかりにそっぽを向いたり、ちょっと不機嫌になることも。これは、他のネコのニオイをしっかりと察知して「誰だこれは？」と警戒するからなんですね。

そんなヤキモチも、猫の敏感な鼻のおかげ。猫のテリトリー意識はとっても強いので、飼い主さんも猫の前ではちょっと気をつけてあげると良いかもしれませんね。

（リンク）犬は「匂い」からどんな情報を集めてるの？

https://wanchan.jp/column/detail/10863